きみは大丈夫、頑張れ
初めて大昇くんを見たのが帝国劇場だった。
チケットのご用意がされなかったり実習ドン被りで諦めたりでずっとお預けになっていたから夜行バスに乗った瞬間から緊張していた。
とろんとした目がたくさんの光を集めていた。フェイスラインはスッとしているのにほっぺがもちもちだった。お化粧はしていなくて可愛らしいそばかすと星座みたいなほくろが見えた。ほわほわでほんの少し茶色なマッシュヘアだった。真横に来た時身体が強張るほど綺麗な顔をしていた。顔が小さくて手足が長くて、肩幅が広いのにウエストが細かった。通りすがりにふわっといい匂いがした。
先輩がフライングをするときにアイコンタクトをとりながらフッキングをしていた。真剣な顔でライフルを回していた。ダンス選抜にはいなかった。かっこいいに全振りのエネルギッシュなパフォーマンスをしたかと思えば楽しくなるとワカメみたいなダンスをしたりしていた。愛燦燦を聴いて涙が出た。
大切な人の話をして、聞いて、思い出して涙を流していた。大切な仲間も泣いていた。大好きな先輩にカンチョーしてクソガキムーブを炸裂させていた。
開演前、奮発して買った双眼鏡のピントを合わせながら大昇くんのこと見つけられるかな?と不安に思っていたことなんて忘れるくらいきみが輝いて見えた。舞台のどこにいたってきみの居場所がわかった。私の目にきみが映るたびにキュッと苦しくなった。目を離せなかった。公演が終わってもずっとずっときみのことを考えていた。
笑顔のきみが、心を込めて一生懸命に歌うきみが、無邪気で真面目なきみが、愛を考えるきみが好きだと確信したそんな初めてだった。
はじめましてから2年が経った。
全員がという形ではあったけれど、座長として帝国劇場に立っていた。
とろんとした目は変わらず光を集めていた。フェイスラインもほっぺもスッとして大人の男性になっていた。お化粧をしていてかわいらしいそばかすもほくろも見えなかった。変わらず顔が小さくて手足が長くて、肩幅が広くてウエストが細かった。けれど、身体ががっしりしていてもう19歳だもんねとしみじみした。
短髪になっているのを知らなくて心臓が止まるかと思った。アップバングにしていて綺麗なお顔も勿論だけど、細かな心情の揺らぎを表現するきみの演技がよく見えた。
デビュー組の先輩は居なくて、たくさんいるジュニアのなかできみがフライングをしていた。フライングをする前に向かい合って2人の時しか見せない表情をして歌比べみたいなことをしていて余計泣けた。本気で頑張って本気でふざけ合える同期がいる事実に改めて安心した。激しいダンスのシーンに(怪我した子の代理で)きみがいた。錚々たるメンバーの中に放り込まれたダンスだって何の心配もいらなかった。ワカメみたいなダンスは無かったけれど楽しいが存分に伝わるパフォーマンスをしていた。きみが笑顔で楽しそうにパフォーマンスする姿で泣いた。きみの笑顔が大好き。愛の讃歌を聴いて涙が出た。会場にきみの歌声だけが響くあの時間が堪らなく大好きで、尊い。
大切な仲間やバックについてくれている小さな後輩ともアイコンタクトをとっていた。後輩がやりやすいような雰囲気を作っていた。以前よりもずっと客席の奥の方を見る時間が増えていた。舞台に立つと変わらず人が変わったように背筋がしゃんと伸びていた。マンションにいる時、悪い顔をしていたずらのタイミングを伺っていた。
開演前はあの時に新調した双眼鏡のピントを合わせながら変わらずソワソワしていたんだけれど、ちょっぴり違うソワソワだった。どこに居るきみのことも見つけられる自信があった。きみはより強く輝きを放っていた。好きな気持ちは止まることを知らなくて(いわゆる)新規ハイなあの時と同じように公演後もずっとずっときみのことを考えていた。好きが濃くなった。
2年の間でたくさんの経験をして変わったきみも変わらずそのままなきみも愛しい。
はじめましてのあの時は肩幅くらいに足を広げて客席の上の方を見ながら歌っていた。今回歌っていた愛の讃歌はヴェールを使って口づけのような素振りを見せたり、ステージを端から端まで使っていたりした。
沢山の魅せ方を身につけたきみ。それでも変わらず、きみの歌には愛が持つあたたかさがあった。きみの愛は太陽みたいにあったかい。欲を言うともっとたくさんの人に聴いて欲しかったな。
はじめましての時もそれ以降の歌声も抜群に良いけれど、今の歌声が1番大好きだよ。
先日発売されたanan(2022.1.26号)で
あいつの追い込みっぷりは尋常じゃない。俺があそこまで歌えたら満足しちゃいそうだけど、大昇はどれだけうまいって褒められてもずーっと練習してるんですよ。たぶんボイトレをはしごしてるんじゃないかな。
ということを同期であり親友でありライバルのゆうぴー(HiHi Jets/髙橋優斗)が言っていた。自分のなかでの美学があって、決して過程は見せないきみ。そういうところが大好きなんだれど、周囲が教えてくれる頑張り屋さんなところを目の当たりにするとポロポロ泣いてしまう。
リハーサルで「もう一回やらせてください」と時間の許す限り納得いくまで練習をしていた、本番前に「歌がやべえ。歌がやべえっす。怖え。」と顔を顰めて俯いていた、初主演舞台とその他のお仕事がたくさん重なって音信不通になったきみ。
不安や焦りからたくさんたくさん練習を重ねている根っこは、きっと変わっていない。頑張り屋さんなきみだから、弱音を吐かないきみだから頑張りすぎなくてもいいんだよと思っていた。
最近の雑誌で将来の夢を語ることが増えたきみ。
世界でも有数の大きなスタジアム、ウェンブリー・スタジアムでライブがしたい。可能性がないとは言わせない!全米ツアーもやりたいな。
親孝行は、CDデビューしてからやりまーす(笑)
この言葉を見て、この2年を振り返って、背負うものが大きすぎてフラフラなきみは居ないんだと確信した。最近の発言や夢に向かって猛進するきみを見ていると、頑張れ!なんて頑張り屋さんなきみにだけは口が裂けても言いたくなかったはずなのに頑張れと大声で叫びながら心でグータッチをする自分がいる。
今となっては、私が勝手に心配していただけで元々は心配なんて要らないくらい強い人だったのかもしれないとさえも思う。
きみが頑張れ!をくれるように目一杯の頑張れをきみに送りたい。
不器用だけれどセンスに驕らず真面目に直向きに頑張るきみを目一杯応援したい。きみの目指すところまで着いていきたい。口に出した夢もそうでない夢も全部全部叶ってほしい。
信頼できる仲間がいることも、エンターテイメントを愛していることも、歌うことを大事にしていることも、貰った愛を何倍にも大きくして他人を包み込んじゃうことも、苦手さえ得意に変えてしまうことも、十分すぎるくらい伝わってるよ。
大昇くんなら大丈夫。頑張れ!